天神総合クリニック

お知らせ

2025.03.07

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婦人科からのお知らせ(更年期外来について)

更年期外来について

更年期障害の治療法には薬を使う方法と薬を使わない方法があります。
生活習慣の改善は最も大切な方法です。
そしてカウンセリングや心理療法など専門家のアドバイスを受けることも有効です。
薬を使う方法は大きく3つに分けられます。

ホルモン補充療法、漢方療法、抗うつ薬抗不安薬です。

HRTは不足しているエストロゲンを補うことで更年期の不快な症状を緩和し閉経後のトラブルを予防する治療法です。
HRTは更年期障害の治療法として国内外でもっとも研究が重ねられてきました。
HRTで使用する薬には飲み薬、貼り薬、塗り薬の3種類があります。
貼り薬と塗り薬は皮膚から吸収され直接血液に入るため大きな副作用である血栓症を引き起こすリスクが上がらないというメリットがあるので最近はこれらが選ばれることが多くなっています。
また子宮がある方は子宮体癌を防ぐために黄体ホルモンも併用します。
HRTは様々な更年期症状の緩和に効果が期待できます。
のぼせほてり発汗の改善、膣外陰の萎縮、性交痛の改善、骨粗鬆症の予防と改善などです。
その他にも関節痛や気分の落ち込みを和らげる、皮膚のコラーゲンを増やし肌の潤いを保つ、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やして動脈硬化を防ぐ効果も報告されています。

HRTの治療はまず問診でこれまでの病歴や現在の体の状態と症状を確認します。
次にHRTを行っても問題ないか血液検査、子宮・卵巣、乳房などの検査をします。
最後に処方される薬の使い方や注意事項の説明受けます。
HRTを行っている間によくあるマイナートラブルとしては、不正出血や乳房の緊満感・痛みがあります、定期的に受診して体調に注意しながらHRTを受けましょう。
HRTはほとんどの女性が受けることができますが、乳がん・血栓症の治療中または過去に治療したことがある方受けることができない方がいますので相談してからHRTを受けましょう。

HRTによって乳がんが発生するリスクについて強調されたことがありますが、最近の研究では、アルコール摂取、喫煙、肥満などの生活習慣によるリスク上昇と同等かそれ以下と言われています。
HRTと関係なく乳がんの罹患率は高く女性の11人に一人が乳がんになっています。
定期的に乳がん検診を受けることは大切です。
HRTを行う間は子宮・卵巣のチェックも1年ごとに受けましょう。

漢方療法も更年期障害の治療法として相性がいい方法です。
更年期障害に処方される代表的な漢方薬には、当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸などがあります。
漢方薬は他にもいろいろな種類があります。複数の生薬の配合により心身のバランスを整えるように働きますので患者さんそれぞれの体質や症状に合わせて処方します。

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