婦人科
GYNECOLOGY
婦人科について
天神総合クリニックは、婦人科の専門女性医師のもと、天神のかかりつけとして信頼できる医療をみなさまに提供いたします。
月経痛、おりもの異常、不正出血、更年期症状など女性特有のお悩みを産婦人科専門医にご相談いただけます。
患者さま一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた最適な診療を心がけ、安心してご相談いただける環境を整えております。
低容量ピル
低容量ピルとは
低用量ピルの作用とメカニズム
低用量ピルは、女性ホルモンの働きを利用して避妊効果を得る経口避妊薬です。主に次の2つの働きによって妊娠を防ぎます。
◯子宮内膜の増殖抑制
排卵が抑えられることで、卵子と精子の受精が起こりにくくなり、結果として妊娠を防止します。また、子宮内膜の厚みを抑えることで、万が一受精が起きた場合でも着床しづらい状態となり、妊娠の成立を防ぐ仕組みです。こうした働きにより、低用量ピルは高い避妊効果を発揮します。
低用量ピルの種類
低用量ピルは、「一相性」と「三相性」の2タイプに分かれます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
タイプ | 特徴 |
---|---|
一相性 | 全ての錠剤に同じ量の卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれている |
三相性 | ホルモン量が3段階に分かれており、体のリズムに合わせた調整が可能 |
一相性は毎日同じ成分量のため飲み間違いのリスクが少なく、初心者にも扱いやすいとされています。一方、三相性は含まれている女性ホルモンの量が3段階に分かれているため、女性ホルモンの周期に合わせて服用可能です。また、体内に取り入れる総ホルモン量が少なくすみ、不正出血が起こりにくいという特徴もあります。使用するタイプは、体質やライフスタイルにより異なるため、医師と相談のうえ選ぶのが安心です。また、ピルには21錠タイプと28錠タイプがあり、28錠タイプには休薬期間用の偽薬が含まれているため、服用リズムを保ちやすくなっています。
当院で処方している低用量ピル
当院では以下の低用量ピルを主に取り扱っています。また、月経困難症などの治療を目的とする場合には、保険適用の可能な「ヤーズ」や「ヤーズフレックス」などの一相性ピルの処方にも対応しています。避妊目的だけでなく、生理痛やPMS(月経前症候群)など、月経に関するさまざまなお悩みにも対応していますので、お気軽にご相談ください。
一相性 | ファボワール28 |
三相性 | ラベルフィーユ28 |
低用量ピルの2つの効果
低用量ピルには、主に2つの重要な働きがあります。それぞれについてわかりやすく解説します。
避妊効果について
低用量ピルは、非常に高い避妊効果を持つ経口薬です。毎日決まった時間に1錠ずつ飲み続けることで、理論上の避妊率は99.7%とされています。もし服用をうっかり忘れても、早めに気づいて対応すれば、避妊効果はおよそ92%程度といわれています。
一方、コンドームの避妊率は、正しく使用した場合で約98%、一般的な使い方では82%ほどです。それと比較しても、低用量ピルの避妊力は非常に優れているといえるでしょう。
また、ピルの服用をやめれば自然に排卵が戻るため、将来妊娠を望む方でも、現在は避妊したいという場合に適しています。
避妊以外の効果
低用量ピルには、避妊以外にも女性の健康をサポートするさまざまな効果が期待できます。
◯ニキビや肌トラブルの改善
◯生理痛・生理不順・経血量の多さ・排卵痛・子宮内膜症の症状軽減
以下に、それぞれの効果について詳しくご紹介します。
◯月経前症候群(PMS)の緩和
生理前に現れる、頭痛や腹部の痛み、強い眠気などの不調は「PMS(Premenstrual Syndrome)」と呼ばれます。これは、女性ホルモンの分泌量が急激に低下することで起こると考えられています。
低用量ピルを服用すると、ホルモンの変動が安定し、こうしたPMSの症状がやわらぐことが期待されます。
◯ニキビや肌トラブルの改善
ホルモンバランスの乱れや男性ホルモン(テストステロン)の影響によって、肌トラブルが起きることがあります。低用量ピルは排卵を抑え、テストステロンの分泌を減らすことで、肌のコンディションを整えるサポートが期待できます。
中でも「マーベロン」というピルは、肌荒れやニキビの改善に特に効果があるとされ、ニキビや肌荒れ改善の副効用を期待される方は、マーベロンを服用するのがよいでしょう。
◯生理痛・生理不順・経血量の多さ・排卵痛・子宮内膜症の症状軽減
低用量ピルを使用することで、排卵が抑えられ、排卵痛が軽くなるとともに、子宮内膜の厚みがコントロールされることで、経血量の減少や生理痛の軽減も見込まれます。
また、ホルモンバランスの安定により、生理の周期が整いやすくなり、生理不順の改善にもつながるとされています。子宮内膜症の症状改善にも有効性が報告されています。
低用量ピルの保険適用について
低用量ピルは、避妊を目的とした場合、健康保険の適用外となります。ただし、「月経困難症」と診断された場合には、治療薬として保険適用で処方を受けることが可能です。
生理の際に強い腹痛や腰の重だるさなど、つらい症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。